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フルミストのご案内

いくた小児クリニック

鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト」のご案内

当院では今シーズンから、鼻にスプレーして接種するインフルエンザワクチン 「フルミスト®点鼻液」 の接種を開始します。
フルミストは、従来の「腕に注射するインフルエンザワクチン」とは異なり、左右の鼻に1回ずつワクチンを噴霧するタイプです。
注射針を使わないため、注射の痛みが苦手なお子さんにとってメリットがあります。

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フルミストとは?

フルミスト

フルミスト
鼻から接種する経鼻タイプの生ワクチン

フルミストは、インフルエンザウイルスの毒性を弱めて作った 「弱毒生ワクチン」 です。
インフルエンザウイルスは主に鼻やのどなどの気道から体内へ入ります。
フルミストでは、弱毒化したワクチンウイルスを鼻の中に噴霧することで、鼻やのどの粘膜に免疫をつくらせるとともに、全身の免疫反応も引き起こします。
日本では2023年に承認され、2024~25シーズンから使用されるようになりました。

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対象年齢

2歳以上19歳未満(2歳~18歳)の方が対象です。
日本で承認されている接種方法では、年齢やこれまでのインフルエンザワクチン接種歴にかかわらず、1シーズンに1回の接種です。
左右の鼻にそれぞれ0.1mLずつ、合計0.2mLを噴霧します。

 

●費用    1回 9,000円(税込)

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フルミストのメリット

1

注射をしません

左右の鼻にスプレーするだけです。
注射針を刺さないため、

  • 注射が怖い

  • 注射を見るだけで強く緊張してしまう

  • 注射の際に激しく抵抗してしまう

といったお子さんにはメリットがあります。ただし、鼻にスプレーされること自体を極端に嫌がるお子さんでは、必ずしも簡単に接種できるとは限りません。

2

1シーズン1回で終了します

日本で承認されているフルミストは、2~18歳のすべての対象者で1シーズン1回です。
従来の注射ワクチンでは、13歳未満のお子さんは原則として2回接種するため、「受診回数を少なくしたい」というご家庭にとってもメリットがあります。

3

鼻やのどの粘膜にも免疫ができます

フルミストは鼻の中で免疫反応を起こすため、血液中の抗体だけでなく、インフルエンザウイルスが侵入する鼻やのどの粘膜にも免疫反応を起こします。

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注射のインフルエンザワクチンと、どちらが効きますか?

現在のところ、

「フルミストの方が注射ワクチンより優れている」
「注射ワクチンの方が必ず優れている」

とは一概には言えません。

日本小児科学会では、通常の2~18歳のお子さんについては、注射する不活化ワクチンとフルミストのどちらもインフルエンザ予防の選択肢として推奨しています。

したがって、健康なお子さんの場合には、

  • 注射が苦手か

  • 基礎疾患があるか

  • 喘息があるか

  • ご家族に免疫力が非常に低下した方がいるか

  • 内服している薬があるか

などを考えて選ぶことが大切です。

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フルミストが向いているお子さん

次のようなお子さんには、フルミストは良い選択肢になります。

●注射がとても苦手なお子さん
フルミスト最大のメリットです。
ただし、鼻にスプレーされること自体を極端に嫌がるお子さんでは、必ずしも簡単に接種できるとは限りません。

 

●注射のときに強く泣いたり暴れたりしてしまうお子さん

安全に注射するために複数人で身体を押さえる必要があるようなお子さんでは、フルミストによって負担が大きく減る可能性があります。

​

●1回の接種で済ませたいご家庭

フルミストは日本では全年齢で1シーズン1回です。

​

●基礎疾患のない健康な学童・中高生

特に注射に抵抗感がある健康な学童~思春期のお子さんでは、選択しやすいワクチンです。

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フルミストより注射ワクチンをおすすめする場合があります

フルミストはすべてのお子さんに適しているわけではありません。
特に次のような場合には、
従来の注射ワクチンをおすすめすることがあります。

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喘息があるお子さん

日本小児科学会では、喘息のあるお子さんには注射のインフルエンザワクチンを優先して推奨しています。
特に、

  • 喘息の症状が安定していない

  • 最近ゼーゼー・ヒューヒューしている

  • 重い喘息がある

場合にはフルミストは適しません。
フルミストの添付文書でも、重度の喘息がある方や喘鳴(ゼーゼー)がある方は接種に注意が必要とされています。

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ご家族に重度の免疫不全の方がいる場合

フルミストは生ワクチンです。
接種後しばらくの間、鼻やのどからごく少量のワクチン由来ウイルスが排出されることがあります。
そのため接種後1~2週間は、重度の免疫不全状態にある方との密接な接触をできるだけ避けることが推奨されています。
ご家族に、

  • 抗がん剤治療中の方

  • 造血幹細胞移植後などで非常に免疫力が低下している方

  • 重い免疫不全症の方

などがいる場合には、注射のインフルエンザワクチンをおすすめします。

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フルミストを接種できない方

次の方にはフルミストを接種できません。
× 2歳未満または19歳以上
日本での対象年齢は 2歳以上19歳未満 です。
特に2歳未満では、海外の臨床試験で接種後の喘鳴や入院が増えたとの報告があり、接種対象になっていません。
× 明らかな発熱がある方
当日の体調を確認して判断します。
× 重い急性疾患にかかっている方
体調が回復してから接種します。
× フルミストの成分で重いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしたことがある方
× 明らかな免疫不全がある方
先天性・後天性の免疫不全症などが該当します。
× 強い免疫抑制治療を受けている方
例えば、一部のステロイド治療や免疫抑制薬などがあります。
薬の種類・量・投与方法によって判断が異なるため、現在使用している薬がある方は必ずお知らせください。
× 妊娠している方
フルミストは生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。

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接種前に必ずご相談いただきたい方

次に該当する場合は、必ず事前にお知らせください。

  • 喘息がある

  • 最近ゼーゼーした

  • 心臓、腎臓、肝臓、血液などの基礎疾患がある

  • 過去にけいれんを起こしたことがある

  • 過去の予防接種で強い副反応があった

  • 免疫不全症と診断されたことがある

  • ご家族に先天性免疫不全症の方がいる

  • 卵・鶏肉などに強いアレルギーがある

  • ゼラチンアレルギーがある

  • 現在薬を飲んでいる

  • 最近インフルエンザにかかり、抗インフルエンザ薬を使用した

  • ご家族に重度の免疫不全状態の方がいる

最終的な接種の可否は、当日の診察で判断します。

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最近インフルエンザの薬を使った方

フルミストは生きた弱毒ウイルスを利用するワクチンなので、タミフル®などの抗インフルエンザ薬をフルミスト接種の前後に使用すると、ワクチンウイルスの増殖が抑えられ、十分な効果が得られない可能性があります。
最近、

  • オセルタミビル(タミフル®など)

  • ザナミビル(リレンザ®)

  • ラニナミビル(イナビル®)

  • バロキサビル(ゾフルーザ®)

  • ペラミビル(ラピアクタ®)

などを使用した方は必ずお知らせください。

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アスピリンなどを使用している方

フルミスト接種後は、

  • アスピリンなどのサリチル酸系薬

  • ジクロフェナク

  • メフェナム酸

などについて注意が必要です。
ライ症候群やインフルエンザ脳症の重症化との関連が報告されているためです。
これらの薬を使用している方は、必ず事前に医師へお知らせください。

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​フルミストのよくある質問

Q

卵アレルギーがあっても接種できますか?

A

卵アレルギーがあるというだけで、必ずフルミストが接種できないわけではありません。
ただし、日本の添付文書では、卵・鶏肉・その他の鶏由来成分にアレルギーを起こす可能性のある方は「接種要注意」とされています。
アレルギーの程度によって判断しますので、事前にご相談ください。

Q

鼻水や鼻づまりがあっても接種できますか?

A

軽い鼻水程度であれば接種できる場合があります。
ただし、強い鼻づまりや鼻症状があると、鼻の中にワクチンを十分に噴霧できない可能性があります。
そのため当日の状態によって、接種を延期するなど医師が判断します。

Q

接種はどのように行いますか?

A

椅子に座った状態で、右の鼻に1回、左の鼻に1回ワクチンをスプレーします。
注射はしません。
接種時に通常の呼吸をしていればよく、ワクチンを強く吸い込む必要もありません。
一瞬で終わります。

Q

接種直後にくしゃみをしてしまったら?

A

接種直後にくしゃみをすることがあります。
通常は、それだけでワクチンをやり直す必要はありません。
また、少量がのどに流れたり飲み込んだりしても、通常は問題ありません。

Q

「接種したらインフルエンザになる」のですか?

A

フルミストには、病原性を弱めたインフルエンザウイルスが使用されています。
接種後に鼻水・咳・微熱などの「かぜのような症状」が出ることはありますが、通常のインフルエンザウイルスと同じように強い病気を起こすように作られたワクチンではありません。
ただし生ワクチンであるため、免疫機能が著しく低下している方には使用できません。

Q

接種後にインフルエンザ検査をすると陽性になりますか?

A

フルミスト接種後しばらくの間は、鼻の中にワクチン由来ウイルスが存在することがあります。
そのため、接種後に発熱や鼻水などが出てインフルエンザ迅速検査を行った場合、フルミスト由来のウイルスによって検査が陽性になる可能性があります。
接種後に他の医療機関を受診する場合には、「○日前にフルミストを接種しました」と医師にお伝えください。

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接種後によくみられる症状

フルミストでは、注射した場所の腫れや痛みはありませんが、鼻やのどの症状が比較的よくみられます。

国内臨床試験では、主な副反応として、

  • 鼻水・鼻づまり

  • 咳

  • のどの痛み

  • 頭痛

などが報告されています。

特に鼻水・鼻づまりは比較的よくみられます。

その他、

  • 発熱

  • だるさ

  • 食欲低下

  • 筋肉痛

  • 腹痛

  • 下痢

などがみられることがあります。

多くは一時的で、自然に改善します。

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接種後の生活について

基本的には普段どおりの生活で構いません。
ただし接種当日は、激しい運動は避けてください。
入浴は通常どおり可能です。
食事にも特別な制限はありません。
接種後は体調の変化がないか注意してお過ごしください。

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接種後1~2週間の大切な注意

フルミストは生ワクチンのため、接種後しばらくは鼻やのどからワクチン由来ウイルスが排出される可能性があります。
通常の健康なご家族との生活で過度に心配する必要はありませんが、接種後1~2週間は、重度の免疫不全状態にある方との密接な接触をできるだけ避けてください。

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こんな症状があったらご連絡ください

非常にまれですが、他のワクチンと同様に重いアレルギー反応が起こる可能性があります。

接種後に、

  • 息苦しい

  • 顔や唇が急に腫れる

  • 全身にじんましんが広がる

  • 意識がおかしい

  • けいれんが続く

  • ぐったりして様子がおかしい

  • 高熱が続く

などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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フルミストと注射ワクチン、どちらを選べばよいですか?

フルミスト

フルミストが良い選択になりやすい方

✓ 2~18歳
✓ 注射がとても苦手
✓ 健康状態が安定している
✓ 喘息や喘鳴がない
✓ 免疫不全がない
✓ 家族に重度の免疫不全者がいない
✓ 1回の接種で済ませたい


このようなお子さんには、フルミストはとても良い選択肢です。

インフルエンザワ�クチン

注射ワクチンをおすすめしやすい方

✓ 2歳未満
✓ 喘息がある
✓ 最近ゼーゼーしている
✓ 免疫不全や免疫抑制治療がある
✓ ご家族に重度の免疫不全者がいる
✓ 妊娠している、または妊娠を予定している
✓ フルミストの成分に重いアレルギーがある


このような場合には、従来の注射によるインフルエンザワクチンの方が適していることがあります。

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最後に

フルミストは、
「注射をしなくてもよい」
「2~18歳では1シーズン1回」

というメリットを持つ、新しいタイプのインフルエンザワクチンです。
一方で、生ワクチンであるため、喘息、免疫不全、使用している薬、ご家族の健康状態などによっては、従来の注射ワクチンの方が適している場合があります。
フルミストと注射ワクチンにはそれぞれ長所があります。
どちらにするか迷われる場合は、お子さんの年齢・体質・基礎疾患・注射への苦手意識などを考慮して選びましょう。

​項目

注射のインフルエンザワクチン     
フルミスト®   

ワクチンの種類

不活化ワクチン            
弱毒生ワクチン  

接種方法

腕などに注射                   
左右の鼻にスプレー   

日本での対象年齢

生後6か月以上                   
2歳以上19歳未満   

2~12歳の接種回数

原則 2回                       
1回  

13~18歳

通常1回                       
1回   

注射の痛み

あり                  
なし  

主な副反応

接種部位の痛み・赤み・腫れなど     
鼻水・鼻づまり、咳、のどの痛み、頭痛など   

喘息

こちらを推奨                  
原則として注射を優先   

現在喘鳴がある場合

状態をみて接種可能                 
接種要注意  

免疫不全

状態に応じて接種可能                 
原則不可  

免疫抑制治療中

状態に応じて判断                  
原則不可 

妊娠

接種可能                       
不可  

重度免疫不全者が同居

接種しやすい                   
原則として注射を推奨   

鼻水・鼻づまり

大きな影響なし                   
強い鼻づまりでは困難  

卵アレルギー

多くの場合接種可能               
接種要注意として個別判断  

ゼラチンアレルギー

製剤により確認                  
特に注意が必要  

抗インフルエンザ薬との関係

基本的に問題なし                  
効果を弱める可能性あり  

接種後のワクチンウイルス排出

なし                  
あり得る 

接種後の迅速検査への影響

基本的になし                  
一時的に陽性となる可能性あり  
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